マヨ中の常夜灯

日常の気になるあれこれ

『真夜中乙女戦争』君は残酷なまでに美しい

お久しぶりです。

なんと一年半ぶりのブログ更新となります。

 

何のご縁かこのブログのタイトル『マヨナカ』繋がりということで

真夜中乙女戦争』を観に行ってきました。

 

主演は永瀬廉くん。

 

ここでは前回『弱虫ペダルで登場しましたが、今では朝ドラ『おかえりモネ』で一躍お茶の間のアイドルになったあの『りょーちん』の中の人ですね。

 

彼の内面から迸る表現力とすべてを惹き込む天賦の才に新時代の核として無限の可能性を感じずにはいられません。

 

初見ですが

この作品に関しての事前知識はどうやら若者に絶大な人気らしいとのことで

原作者Fさんも二宮監督も存じ上げていなかったのですが映画の冒頭から秒で魅了されました。

 

そう、夜の東京タワーはとても危うく美しかったのです。

 

登場人物

主人公は「」という名の大学生。

意味の無い講義と地味なキャンパスライフと煩い親からの倹しい仕送りのため粗暴な集団日雇い労働に明け暮れる日々。

登場する友人は女の数を自慢するいけ好かないブス男だったり非モテのおばさん教師に楯突き茶色い液体を顔にブッかけられる有様。

その無様な瞬間をモブ等に撮られ動画で拡散されちょっとした有名人になる(晒される)というよくある陰鬱な学内の様子がリアルに描かれてるわけなのですが

 

これ国宝級イケメンの永瀬くんでやる必要あるのか。

 

どう見てもそんじょそこらの一般人やどう見てもイケメンではないイケメンと言われる人とは明らかに違う端正な容姿と隠しきれない華やかな佇まい。

田舎から出てきた芋臭さをダサい服で補おうとしても服の方がイケてる服に昇華するんだからどうしたらいいの。

薄暗い店の片隅にぼっちで突っ立っていても間違いなく女共が群がるであろう美しい青年にこの役は少々疑問に思っていましたが要は

 

絶望的に美しい

 

ことを観客に思い知らせることが本当の狙いだったのかもしれません。

 

出会い

そんな冴えないにある日突然転機が訪れます。

校内で度々起こる爆発事件。

その犯行現場と当事者を私は偶然目撃してしまいます。

 

あだ名は「黒服」という男。

 

黒いスーツに飄々とした振る舞いの男(柄本佑)は端的に言うといかがわしいサイトで大儲けをし男性機能不全を経たのちやり残す事なく人生を全う。

この退屈すぎる毎日を持て余してるかのような奇妙な男には次第にのめり込んでいくのです。

 

そんなも無気力な人生に終止符を打つべく出向いた先は大学の出会い系サークル「かくれんぼ同好会

 

一念発起とは女の子と知り合うことなのか・・・女とガラス越しで話をするために憂いた顔で健気に順番待ちをする永瀬くんはまずありえない。

 

その会話の相手「先輩」というミステリアスな女性(池田エライザ)との出会いがの運命を動かしていきます。

 

兵どもが

物語りの中盤に差し掛かると退屈なの周辺がキナ臭くなっていきます。

と同じように社会に馴染めず孤独と疎外感に苛まれた人々が大胆不敵なカリスマ黒服のアジトに集まるようになり、いつの間にか一人だったに沢山の仲間ができました。

 

彼等の名は「チーム常連

サイコパスホラー軍団ともいえるこの物語の影の立役者。

その存在感は不気味で奇っ怪で秀逸で厭らしいほど癖があるので要注意。

 

最初はいたずら程度のお遊びで世間を騒がしていましたが、行為は徐々にエスカレート。

黒服を崇拝しこの社会を制裁すべく「東京破壊計画」へと突き進んで行くのです。

 

しかし先輩に惹かれていくうちこの組織から抜けたくなる

それを許さない黒服チーム常連により先輩の身に危険が迫ります。

 

徐々に追い詰められていく

 

子猫のようないたいけな永瀬くんを束でいたぶるドブス野郎共には今すぐ藤原竜也を召喚してやりたい。

 

すべてを消滅させるため突拍子のない任務を遂行する自分勝手なテロリストたち。

来たるラストの大一番、黒服の対峙はあまりにも唐突で残酷な結末を迎えます。

 

そして東京の終わりと先輩との最期は破滅的でありながら最も切なく美しいシーンで幕を閉じました。

 

夢の跡

」と「黒服」と「先輩」の不可思議な三角関係。

憧れと羨望と密かな恋。

メインキャストが三人で決して大掛かりではないのですが心の奥底が揺さぶられる映画でした。

 

ごく普通の日常に潜む闇とささやかな幸福。

 

本命が他にいる「先輩」と過ごした僅かな時間はどこかノスタルジックで迷路のように謎めいていましたがの心は満たされたと思います。

黒服」が自分の最後を最初からに託していたのはきっと一目惚れだったから?

主人公の「」は真っ直ぐで儚くて弱くて強くて可愛くてただひたすらに美しかった。

 

観た人は多分必ず「」を救いたくなるのです。

 

今週末くらいで上映は終了のようなので、もう一度あの余韻に浸りに行こうかな。